2021年1月17日で阪神・淡路大震災から26年です。今回は当時の動物救護の記録を振り返りながら、災害への備えを考えたいと思います。
大地震により多くの方が犠牲になり甚大な被害を受けました。被災動物(犬猫)は推定9300頭にのぼります。
被災直後から神戸市内の動物病院では、切り傷や骨折、打撲や火傷などにより外科治療を受けたり、嘔吐や下痢、食欲不振などにより内科治療を受けた動物が多くいました。
発災後約10日までの記録によると、犬での内科治療の数は、外科治療の約7倍と報告されており、ストレスに起因するものという推察がされています。
また、犬がナーバスになり噛みついた、地震による恐怖のために食事がとれず動物の症状が悪化した、余震におびえる犬が多かった等の報告もありました。
【出典:大地震の被災動物を救うために: 兵庫県南部地震動物救援本部活動の記録】
これらの記録から見えてくるのは、人間だけでなくどうぶつたちもストレスの影響を大きく受けるということです。
普段からどうぶつたちに接している飼い主の皆さんは、自分が疲れているとどうぶつが心配そうに寄り添ってくれるなど敏感に変化を感じとる姿をご覧になっているかと思います。
災害時のどうぶつたちのストレスを軽減するための備え
・どうぶつが食べ慣れたフードを多めにストックしておき、普段から消費・購入をくり返す(ローリング・ストック)。
ストレスを感じている時に食べ慣れないフードを与えられても、受け付けないことがあります。
食べ慣れているフードを最低1週間分、できれば1ヶ月分は備蓄しましょう。
・普段からクレート(ケージ)を部屋の中に置いておき、中で休めるようにしておく。
避難のために慣れない場所に行っても、クレートの中にいれば安心できます。ハウスが苦手な子はハウストレーニングに取り組みましょう。
・猫の場合は特に、クレートに目隠しのための布をかけると落ち着くことがあるので、クレートと一緒に準備しておく。
・クレート内でも遊べる安全なおもちゃを見つけておく。
災害時は動物も狭い場所で過ごすことが多くなります。そのような時に普段から使っているお気に入りのおもちゃがあれば、安心につながります。おもちゃに穴が空いていて、中にフードを入れて楽しめるものなどもあります。
国立中央どうぶつ病院ではどうぶつのための防災アイテムを配布しています。ぜひご活用ください。